その1からのつづきです
EU諸国の皆さんから遅れること数分。
荷物引き取り場で無事合流を果たした、わたし。
「よかったー。充分間に合ったー」
と、置いていかれていなくて少しホッ。
しかし
待てど暮らせど
沈黙を保つ、ベルトコンベアー。
一緒にエキストラとして旅に参加していたヴィオリストが
「わたし、荷物が来なかったらどうしようって、いつも不安なの」
と。
「なんで?」と、わたし。
「スペイン旅行に行ったときにね、荷物が届かなくて、最終日まで友達の服をかりてたの」
とか
「いとこが遊びに来たときに、随分遅れてスーツケースが届いたの」
とか
まぁ、いろいろあったようです。
たいへんやなぁー。とのんびり構えるワタシ。
その瞬間
ガ、ガ、ガ…
と、動き出しました。
沈黙のベルトコンベアーさま。
ぐるりぐるりとゆっくりまわって
ひとつ
ふたつ
と
なにやら乗せて
重そうに動いていたのですが
いつのまにか
ぴたりと
止まってしまいました…?!
あれ?
あれれ…?!
そして
涼やかに、アナウンスが。
「ロンドンからの荷物は、以上です。受け取っておられない方は、窓口で申請してください」
はっ????!!!!!
なにそれーーー??!!
というわけで
オーケストラ全員、空港の隅っこに集まって壁や床で
紛失時の届出用紙をうめる…
「オレ、パソコン入れっぱなしなんだよな…」
「僕は、カメラのレンズ一式入ってる…」
「私の本番ドレスと靴…」
と
旅慣れたみなさんも青い顔。
エキストラの彼女も、「あーあ…」というかんじ。
それにひきかえ、わたしは
「お土産に買った、ラズベリーのショートブレッド…」
「ハロッズの紅茶、今日家に帰って飲みたかったのに…」
と、その程度で
みんなに苦笑されていました。
そんなわけで
文句を言うのもあきらめて、バスで引きあげるみんなを見送り
ひとり家路につこうと思ったところで…
気がつきました。
家の鍵、入れっぱなしっ!
…今日は旦那サマがいた…良かった…
次の瞬間
残りのユーロと、銀行のカードも入れっぱなしぃー!!
帰るお金…
…イギリスポンドを両替するか…
だんだん気が確かになってくるにしたがって
運転免許証も入れっぱなしだったことに気づく。
あほや。
出発の朝
数人でカフェに朝ごはんを食べに行き
リラックス、ゆっくりお話してしまって
集合時間ぎりぎりになって大焦り!!
あまりよく考えないで、スーツケースに蓋をしてしまっていたのでした。
翌日はしょうがないので
免許不携帯で仕事に走り
スーツケースの到着を待ちました。
しかし
うんともすんとも連絡なし。
更に次の日
だんだん怖くなってきたので
とりあえず電話して、銀行カードをストップ。
航空会社に問い合わせようと、さらに電話。
こういうのって、めちゃくちゃ時間かかりますよね…
「♪まもなく係りの者が受けさせていただきます~」
という自動アナウンスと、待ちうけ音楽の終わりなき繰り返し。
ひたすらしつこーく何分もその状態で待ちました。
待った甲斐あって、ようやく繋がったのが随分経ってから。
「おとといのヒースロー空港からの便に乗ってきたのですが、スーツケースがまだ届かなくて」
といったら
そのお姉さんいわく
なんと100個以上のスーツケースが、乗せ忘れられているようで。
「なので、空港はたいへん酷い状態になっています」
「本当に申し訳ございません」
ですって。
あ、謝られた…
なんて珍しいー!!!!!
なにより、普通に謝ってくださることに
驚愕してしまった私って…
そこで
携帯電話の番号、荷物の特徴などもう一度伝えました。
「これで、一安心!」
と、思ったのもつかの間…
その3につづく…
私もみなさんが来てくださるのをすっごく楽しみにしていますー!
基本的に下見に行ってるのは、レストランだけよ(なんちゃって。笑)
体調には気をつけて、どうか元気に来てくださいねー☆